田口るり子

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KYOTO GRAPHIE 京都国際写真祭
 
ギャラリー ガラージュ
〒601-8022
京都市南区東九条北松ノ木町7-1
Open:4/29-5/8 12:00~19:00
Open everyday
爪や髪を切ると、切った瞬間それは自分から離れて不必要なものとなり、ゴミとなり、汚い物に変わる。 子供の頃からそれがとても不思議だった。 美容室の高い散髪椅子から見る切られて落ちた髪が、セミの抜け殻のようだ、と思ったのを覚えている。 昨今、世界は急に狭く窮屈なものになった。 平気なフリをしながらも少しずつ心は荒み、身体から離れ、実体が薄れていった。 その頃から鏡に写る自分が誰か知らない人のような気がした。 手につく抜けた髪は、誰か知らない人の髪の様な気がした。 そんなはずはない、と、私はいつの間にか重たくなった心を脱ぎ捨て、前を向く為、身代わりに髪を切った。 子供の頃見ていたセミの抜け殻の様な髪の束の上に裸足で立ち、感触を実感に変える。 一瞬前までは私の一部だったもの。でももう今は必要のないもの。 その境目はほんのわずかだ。 CUT OFF 人は、断ち切り、取り入れ、断ち切る、を繰り返し進んでいく。 生きていく為に。
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